【夏休み】をテーマに、おくさんがよみものを綴ってくれました🐇✏️🎐

君がいた夏は
遠い夢の中
空に消えてった
打ち上げ花火


「夏休み」と聞いて、みなさんの中にはどんな思い出がありますか?


わくわくの夏休み初日、私はこの曲とともに「今日で全部終わらせるぞ!」と無謀な計画を立てて宿題に取り掛かるのが好きでした。

もちろん二日目からは100%遊びに徹するので、残る大半は最終日、大粒の涙とともに片付けるところまでが毎年の恒例行事です。


ラジオ体操に蝉の声、流れる汗とプールと自転車と、真っ青な空、大きな雲、海の家にラムネ、とうもろこし、まだ熱を帯びたアスファルトと線香花火。

一年のうちのたった数週間、なぜか他の長期休みよりも色濃く残る夏休みの思い出たちは、大人になった今でも私の中に特別な宝物となって生き続けています。



私が特に好きだったのは、祖父母の家での昼寝でした。

じいちゃんばあちゃん家ってなぜかエアコンを付けていなくてもずっと涼しい。子供ながら不思議でたまらなかったのを覚えています。

でも今振り返ってみれば、家の周りに日陰が出来るように大きな木々が植えてあったり、こまめに打ち水されてあったりと、祖父母ならではの細やかな工夫がいくつもあったからこその快適さだったのだろうと思います。


その中でも、居間にある吊り押入れの下でする昼寝は格別でした。時折そこの地窓から吹いてくる冷たい風が体に当たれば一瞬で夢の中に行けてしまうんです。

そうして陽が傾き暑くなってくると、祖母が敷いてくれた布団に促され、今度は祖母が傍で優しくうちわを仰ぎながら寝かせてくれる。

学校があまり好きでなかった私にとって、夏休みのこの一場面は「ああ頑張って良かった」と今までのすべてが報われるような、安心と幸せに包まれる瞬間でした。



祖母が天国へ行き今年で10年。
祖父も施設で暮らしている今、あの家で昼寝をすることも、祖母がうちわを持ってきてくれることももう無いけれど、

これからどんなに歳を重ねても、この暑さがやってくればあの日々の記憶たちがきっと私を夏休みに連れて行ってくれるのでしょう。

そうして今度は、この手で木を植え水を打ち、寝ている誰かを優しく仰げたらと思い浮かべる、今夏なのでした。



じいちゃん、毎日めちゃめちゃ会いたいよ。
今度さ、じいちゃんの大好きなチョコまんじゅう一緒に食べようね。

ばあちゃん、もうじきお盆が来るね。
ばあちゃんの好きな赤と白とピンク色の花を持っていくから、どこかで待ち合わせしようね。

私の中に、こんな愛しい夏休みの思い出をくれて本当にありがとう。

大好きだよ。